この本は、ウィザード・トレーディング社のCEOであるジャック・D・シュワッガーさんが書きました。
前作に続き、アメリカのトップトレーダーたちへのインタビュー集です。
本作では、タートルズの育て親の、ウィリアム・エックハートや、短期売買の女王のリンダ・ブラッドフォード・ラシュキなど、17人のトップトレーダーへのインタビューがあり、示唆にとんだコメントが沢山ありました。
トレーダーにとって一番重要なのは、取引戦略を練ること、さらにその戦略が、自分の個性に細部にわたって合致することが大切なのだというのが印象に残りました。
自分の性格にあっていて、優位性が確信できるレベルにまで検証を重ねることが、結果的に、資金管理や規律を守ることにつながるのだ、というのがよくわかりました。
結局検証ですね。
書名 :新マーケットの魔術師
著者 :ジャック・D・シュワッガー
出版社 :パンローリング
読む目的:トップトレーダーのマインドを身につける
ページ数:503
所要期間:7日
『心に響いた言葉/文面は本文より引用・編集』
・マーケットの魔術師を探すことではなく、自らがマーケットの魔術師となるべく、エネルギーを集中しろ。
・マーケットで勝つためには、自信と同じくらいトレードする意欲が必要なのである。
・自分と同じように物事を解釈する人はいないんだ、ということを理解することは重要なんだ。
・彼はストップ注文に火がつけられたら、大きく売ろうと思っていたんだ。ストップによるマーケットの上昇なんて一時的なものなんだ。
・事実を集めて、マーケットがこれからどうなるのかというシナリオを組むことにしているから。
・もしこうだったら、こうじゃなかったら、マーケットの反応はどうか?どのレベルへマーケットは動いていくか。
・リップシュッツは、ほとんどすべてのトレードで、売り下がり/買い上がりのスケールで取引を行う。
・流れが簡単なときにトレードをして、難しくなったら閉じる。実際、これは私のトレーディング哲学の一部なんです。
・自分が乗っていない流れではなく、乗っている流れを気にするべきだ。
・実際、使えないブレイクアウトの方が多いと思います。
・最終的には、成功しているトレーダーは、自分の個性とトレード・スタイルが合致しているということです。
・ほとんどの古典的統計学は、データが正規分布、あるいは他の周知の分布であるという前提で論じられているんだ。
・パターンを見る目は、どこにでもパターンを見る。
・ボラティリティが増幅したマーケットに対する習慣として、リスクを軽減するために、半分のポジションを手仕舞って、利益を確定したのさ。
・システムを無視するのは、事前に熟慮して、想定されていなかったマーケット状況の時のみに行うべき、ということさ。
・ポジションの平均が最適よりも少し大きいだけで、パフォーマンスは負の数字になってしまうんだ。
・はっきりしているのは、勝つ為には少数派として行動しなければならない、ということさ。
・人間の本性とは、利益を最大にするようには作動せず、どちらかというと利益を得るチャンスを最大にする働きがある。
・トレードの勝率はあまり重要ではないパフォーマンスの統計値で、パフォーマンスとは逆の関係にあるかもしれないからね。
・もしすべての条件が同じなら、一番やりたくないことをやれ。
・コントロールできないのだから、マーケットがどうなろうとしているのか考えてはいけない。そうなったときにどうするか考えろ。
・確かな物的証拠はないけど、ほとんどの人が純粋なランダム・トレーダーよりひどいトレードをする。
・ストップ注文を置くのであれば、典型的なレベルに置かないことです。
・私がインタビューした中で、高い収益率と低いリスクの組み合わせをもっていたトレーダーは、システムではなく、相場観でトレードしていたのである。
・優秀なマネーマネジメント能力があったとしても、アプローチが有利なものでなければマーケットで勝つことはできない。
・50%の正確性があるパターンであれば、しっかりしたリスク管理を適用することによって、有益に用いることができるね。
・ソロスは、もしそのトレードに強い確信をもっているのなら、すべてを賭けて勝負しなければならない、と教えてくれました。
・二年間の価格データから、値段が前日より高く引けた日、もしくは安く引けた日、これらの次の日は約83%の確率で同じ方向にマーケットが動く、という事実を発見したのです。
・ここでの教訓は、一度規律を破ってしまうと、再びやぶるのはとても簡単なことになる。
・マーケットはほとんどの場合、予測不可能だと感じながらも、予測不能ではない価格変動パターンを見つけること。
・日柄の経過したマーケットでは、現在のトレンドの終焉を示している可能性のある兆候に神経を集中することが特に重要なのです。
・重要なチャートパターンというものは、多くの場合、取引所のプロたちの動きをベースにしている。
・それぞれのトレードは、これからする1000のトレードの最初の一つだ、と考えるようにそのトレーダーに言いますね。
・実際に起こりうるすべての危機や緊張を想定して、それらにどう対処するべきかをイメージしてあるので、もしそれが現実になってもストレスを感じることはないわけですね。
・「このトレードをしよう」と言う代わりに、「このトレードをする自分を見てやろう」と言えるのならば、トレードの経過がにわかにとても簡単なものに思えてくるでしょう。
・価格がどのくらい動いたかを考慮するのではなく、マーケットの動きが、「閉じろ」と命じたときに反対売買を行い、そのポジションを閉じます。
・私のシステムを使っても、彼らには、私のような自信や安堵感を感じることはできないのです。
・ボラティリティが格段に大きくなったとき、裁定取引での収益機会はとても多くなるのです。
・私は、多くのテクニカル・トレーダーたちは同じ情報でトレードしているのに勝ち/負けが分かれるのは、基本的に、その情報をよりうまく使えるかどうかで決まる、と思います。
・成功するトレーダーは、過剰に分析的というよりも直観的です。
・ブラックジャックにしろ、トレーディングにしろ、儲けは勝つ確率が有利かどうかにかかっているし、その有利さをどう使うかなんだ。
・賭ける回数を増やしてゲームを有利にすれば、勝つことは可能になってくる。
・僕は金融市場のほとんどにおいて、現実の価格分布は対数正規分布で示されるよりも、そのサイクルの終焉部分の分布幅が広いことに気がついたんだ。
・マーケットの性格から、暴騰するよりは暴落する確率の方が高いのです。
・彼らに共通しているのは、自分が成功すると固く信じていること。
・この経験で、ある種の人たちは興奮したくてトレードをする、ということを私は学びました。そこで、興奮を必要とする人たちにはそれを生活のなかの他の場所で見つけるよう、指導するようになりました。
・明らかにトレーダーにとって必須・重要な第一歩は取引戦略を練ることなのである。
・一連のインタビューを通じて一つ、最も重要だと私には思えた教訓、それは、自分の個性と細部まで合致したトレード手法を身につけることが必要不可欠なのだ、というメッセージなのである。