この本は、名古屋で「旅籠屋さくらみせ」を業界屈指の繁盛店に育て上げた鬼頭宏昌さんが書きました。
ご縁があって、先月に鬼頭さんとお会いする機会がありました。たまたまその数日前に、友人が鬼頭さんのことをお話ししていて、名前は知っていたので、これは何かあるな、と思って著作を読んでみることにしました。
飲食店経営者のための本ですが、今の私にも役立つことが沢山書いてありました。鬼頭さんは、経営を投資として考えているところがあり、考え方は十分に応用できそうです。
「利益を伸ばすためには、いったん立ち止まり、冷静に売上と経費のバランスを見て対策を練ればいいだけだ」というのは、トレードにもあてはまるな、と思いました。つまり、トレードでは、冷静に利益と損失のバランスをみて対策を練れば、必ず利益は出るようになる、ということです。
また、この本の中には、投資のパフォーマンスを測るのにつかう、「投資収益率(ROI)」という言葉が「儲ける」という言葉の定義に使われていました。著者は店舗経営を「投資」ととらえているのがよく伝わってきました。
※投資収益率(ROI)=利益÷投資額×100
「感性やセンスというのは生まれながらの才能ではなく、取りこんだ情報量に比例する」というのは、いいなと思いました。よくトレードでもセンスのある人とない人がいますが、それも、適切な情報を取りこんで行けば改善できるのかもしれないなと思いました。
「お客様が知らないものを買うわけがないじゃない」というのも、最近セミナーなので説明しても、やる人とやらない人がいるのですが、その理由の一つとして、「わからないことはやれない」というのがあるかも知れないなと思いました。
すべてのお客様に満足していただくのは無理だし、中途半端になると考えています。それよりも、「わかってくれる人」に、心をこめて接していくことが重要だと感じています。そうしていくうちに「わかってくれる人」がだんだん増えていくのかなという気がしています。
なんだか最近お会いする方はすごい人ばっかりです。
日々勉強ですね。
いただいたご縁に感謝です☆
書名 :小さな飲食店成功のバイブル
著者 :鬼頭宏昌
出版社 :インデックス・コミュニケーションズ
読む目的:鬼頭さんが成功した秘訣を知る。
ページ数:215
所要期間:1日
『心に響いた言葉/文面は本文より引用・編集』
・事業経営というのは「同じようなことをやれば、同じような結果が得られる」
・市場の方向性を大きく見極めた上で、顧客ターゲットや商品の絞り込みなどをすることで、圧倒的に他社と差別化することを意識していました。
・経営の本質は「資源の組織化」にあるわけで、限りある資源をいかに組み合わせて最大の成果を上げるのかが経営手腕そのものだと言えます。
・店を開けるまで頑張るのはプランナー、店を開けてから頑張るのが経営者ということです。
・価格を下げるのではなく、どうしたら安く感じてもらえるかを考え工夫することが大切です。
・8割のお客様から言われるようであれば、それは改善した方がいいですが、1〜2人のお客様にしか言われないのであれば、もうしばらくは、そのまま提供したほうがいいと思います。
・誰がなんと言おうと、利益が残れば事業は成り立つ。
・赤字がでるのは、ラーメンビジネスが難しいからでも、準備が足りないからでもなく、売上よりも経費の方が大きいから赤字になるというだけの話でしょう。
・いったん立ち止まり、冷静に売上と経費のバランスを見て対策を練ればいいだけだと思います。
・事業の目的はお金を儲けることだけではありません。しかし、企業の使命は「継続すること」にあります。継続を実現するためには、適切な利益は不可欠なのです。
・飲食店の経営に限らず、「儲かる」という言葉の数字的根拠は、「投資収益率(ROI)」以外に存在しません。
・利益率を極端に上げることは困難であり、投資額を低く抑えることに力点を置くことを考える方が現実的です。最小の投資で最大の利益を生み出すことを常に考えるべきでしょう。
・事業の成功というのは、ある時点で気が狂ったように加速し始めるものです。
・そもそも、大きく成功できる人は、小さくも成功できるものです。
・事業を成功させるのに一番ほしいものは、暖簾でもシステムでもなく、集客ノウハウです。
・身内が応援しない人間を他人が応援するとは思えません。
・感性やセンスというのは生まれながらの才能ではなく、取りこんだ情報量に比例するということが科学的にわかってきています。
・ビジネスを成功させる上で本当に必要なのは、金ではなくて知恵です。
・店側が意識的に看板メニューに育てない限り、看板メニューが育つことはありません。
・お客様が知らないものを買うわけがないじゃないですか。
・経営者が思っているほど、お客様は自社の商品を認知してはいないことを、知らなくてはいけません。
・どんなに明確なビジネスプランを構築しようとも、どんなにかっこいいお店をつくろうとも、お客様が来なければビジネスにはならない。
・泥にまみれるような状況で、お客様の喜ぶことは何でもする覚悟で営業に望むことで、その後の道が開かれていくように思います。
・開業当初の会社に限らず、会社が倒産する直接的な原因は、資金のショートですが、本質的には経営者があきらめたときに、会社の倒産は確定します。
・どんなに精神的に苦しくても、目の前のお客様のために100%尽くすことができるかどうかで成功が決まるのです。
・安さに引かれて来店するお客様は、なかなかリピートしてくれません。
・2回来店されたお客様は、3回以上来店んする可能性が高くなるからです。
・このお客様の名前は何で、どういった好みがあって、この店にどのくらい来てくれているのか。
・データ的な根拠もないままに、感覚でメニューを変えたりしていると、客離れがおきてしまいます。
・商圏を広げることは、商品を絞るとか、価格を上げるとか、思いきった特徴を出すことで実現可能になります。
・価格に対して、はるかに価値の高い商品を提供することができていれば、いつか経営は軌道に乗ると思います。
・価値のあるものは市場が評価するのです。
・繁盛店作りを実現するには、「経営」のノウハウではなく、お客様を大切にする「思い」と「優しさ」があれば、十分可能だと確信しています。
・これを思いついた農家の人は、ないものを見て嘆くのではなく、あるものを見ていたのだということです。
・なくしたものではなく、あるものに感謝する姿勢が、経営には不可欠だと思えて仕方がありません。
・企業の成功は100%、経営者の能力に依存する。
・私は、とりあえずどんな方法でもよいから、自らが経営について猛勉強することで、経営判断に対する自信を深めようと考えました。
・正しい経営を行えば、正しい結果がでます。
・経営者の仕事とは、「組織が向かうべき目標(ビジョン)を明確にして、それを実現するための戦略を立て、その戦略を組織を通じて実現すること」だと結論づけました。
・セオリー・原理原則を無視した経営をすれば、いつか必ず失敗します。
・借金で調達した資金を投入してもよいのは、確実に調達金利以上の投資収益が見込める事業だけではないでしょうか?
・事業拡大する過程では、いかにリスクを減らしていくかという視点を持っていないと、遅かれ早かれ、いつか大きく傾くことになり、リカバリーできないようなやけどを負う結果となってしまいます。
・投資収益率を最大化するためには、いったん投資をしたら、大きな追加投資もせず、ずっと「金のなる木」という状態をキープすることで投資収益の最大化を図る必要があるのです。
・大多数の同業他社が同じ方向を見たときというのは、それとは違う方向へ進むことで、大きな差をつけることができるチャンスでもあります。
・ビジネスが成功すれば、必ず競争にさらされ、常に次の戦略を再構築していくことが要求されます。
・価格を上げても、それに見合う価値があれば、お客様は満足します。
・利益を上げるための方法には順序がある。最初に経費を下げた後、売上を上げるという順序を守ることが非常に重要なことです。
・日次決算を行わない経営は、例えるのなら、パイロットが計器盤のない飛行機を操縦することと同じことなのです。
・思いこみによって、ビジネスチャンスを逃している可能性は極めて高いと思います。
・システムというのは、「ひとりでにそうなる」仕組みのことを言います。
・戦略がいくら明快でも、経営計画がどれほど素晴らしくても、実行する「人」がいなければ実現することができないわけですから、組織づくりが重要であることは当然です。
・今、会社にいる人材で、最高のパフォーマンスをあげることを考えることが最も現実的です。
・経営というのは基本的に専門職です。専門性のない人材が経営をすると、一気に経営は破たんに向かうことを肝に銘じておく必要があるのです。
・組織が荒れる原因は、給料が低いからでも、評価が不公平だからでもなく、コミュニケーションが不足したときだと、断言することができます。
・コロコロと職を変えてきた人材で、優秀な人材は皆無だと思っていたほうがいいと思います。
・失敗を積み重ねることで、どんどん成長するのは事実ですが、致命的な間違いを犯すことは許されるものではありません。
・大切なことは、いろいろな角度から物事を見ることなのです。そしていろいろな可能性を検討した上で、決断を下すということです。
・経営者にとって一番重要な経営課題は、常に「売上・利益の確保」と「事業の成長」が大本命なのです。
・中小企業ならではの強みを認識し、最大限に生かすこと。
・この時期にこのような問題が起こることで、自分はいったい何を学べばよいのだろうか?
・会社を支えているのは、決して従業員だけではありません。お客様、取引先の業者、株主、各種金融機関も、会社を存続させる上で、従業員と同様になくてはならない存在なのです。そのようなステークホルダーすべてに対する責任を果たしてこそ、経営者と呼べるのです。
・一見、自分にとって不利益に思えるような出来事も、長期的な視点に立って見れば、最終的にはすべてがよい方向に向かっているものだと思います。